近年、素晴らしい競技用キューブが次々に発表され、自分に合ったものを選び使う時代がやってきました。
TORIBOにも、「キューブの種類が多すぎてどれを買えば良いか分かりません。」とのお問い合わせを度々頂くようになっています。
「TORIBOレビュー」では、キューブの性能を表す5つのパラメータを選び出し、日本のトップキュービストに評価を依頼しました。
まずは、各パラメータを「回転の軽さ」から時計回りに見て行きましょう。
回転の軽さ (1〜5)
回転の軽さは、誰にでもすぐにわかる重要な性能です。ただし、好みの軽さは人それぞれでしょう。
TORIBOレビューでは、極度に重いものを1点、最も万人受けする軽さを3点、極度に軽いものを5点としています。
潤滑剤を射したり、ビスを調整したりすることで変化させることができます。
安定感 (1〜3)
少し抽象的なパラメータです。評価は3点満点。
ぐにゃぐにゃしていてホールドが難しく、回したい面以外の面が不意に回るようなものを「安定感が低い」としています。
大会での試技中や、自宅で記録を更新しそうなときなど、手が震えるような場面で特に重要になる性能です。
乾燥感 (1〜5)
パーツ同士の接地面積や材質などによって、回した時の感触は大きく変わります。
これまでは「さらさらする」とか「ぬるぬる動く」といったふうに表現されてきました。
TORIBOレビューでは、極度に潤ったものを1点、最も万人受けするものを3点、極度に乾いたものを5点としています。
パーツが削れることで徐々に変化する他、潤滑剤を射すと大きく変化します。
コーナーカット (1〜3)
右の図では、青面がずれた状態で赤面を強引に回しています。このような動きを「コーナーカット」と呼んでいます。海外では「Corner Cutting」と呼ばれているようですね。
評価は3点満点。ただし、少しご注意ください。上級者の多くは、コーナーカットが狭いキューブでも綺麗に回すことができます。回転を90度前後に制御する技術が身についているためですね。
また現状では、コーナーカットを広げるために安定感や耐ピボット性能が犠牲になりがちです。コーナーカットでキューブを選ぶのは、2つ目以降にすると良いでしょう。
耐POP・ピボット性能 (1〜3)
POPとはパーツが脱落すること、ピボットとはコーナーパーツが120度単位で回転してしまうことを言います。これらを総合して、3点満点で評価しました。
Tパーツを搭載している競技用キューブが頻繁にPOPする場合、ビスが緩すぎるか、回し方が雑すぎる可能性を疑う必要がありますが、極限の状態ではしばしば起こってしまうでしょう。
ピボットは競技用キューブでよく見られる現象で、コーナーカットの大きなものでは特に頻繁に発生します。
このパラメータも、少しスピードキューブに慣れ親しんでから気にする、ということで良いでしょう。
評価者のページ
端村 航 | 大村 周平 | 洲鎌 星 | 佐島 優 | 飯田 朋也 |