QiYi Valk 3 Elite M

2019年12月発売、2020年1月レビュー




※各項目の最大値と最小値は平均の算出に使用されません。
※数値は補正されています。例えば、安定感評価の全平均が5で、レビュアーAによる安定感評価の平均は7だったとします。この場合、レビュアーAの安定感評価はおよそ2ずつ下方修正されます。この補正により、全レビュアーの評価尺度を近づけています。


 
レビュアーからのコメント


 
 
入船 朝斗
総合評価 (88.7)


Valk3ラインの最新キューブ。Valk3としては初めて磁力の調整が可能になった。
バネも色分けされたことで強さがわかりやすくなっている。磁力は比較的強い印象だが、回転とのバランスが取れており適切な調整だと思う。
かなりカッチリした回し心地でホールドを深く、ガシガシ回す人に向いている。
反対にホールドが浅いと磁石に引っ張られて引っかかるかもしれない。
多少癖はあるがクオリティが高くよいキューブである。初期状態は微妙なので内部を清掃して新たに潤滑するのがおすすめ。


 
 
洲鎌 星
総合評価 85.4


Valkシリーズの最新モデルが満を持して登場しました。バネと磁力の強さを変更できるようになり、調整の幅が広がりました。
エッジ・コーナーパーツの表面に施された加工と新しい磁石配置のためか、でこぼことした独特の回し心地を有しています。
各メーカーの最近のモデルと比べても個々の要素の性能が低いわけではないのですが、全体としてのまとまりがあまりよくないように感じてしまいます。
多くのトップキューバ―がメインキューブとして使用し始めていることから、ポテンシャルの高いキューブであることは間違いないでしょう。
万人受けするオリジナルのValk3とは異なり、人を選ぶクセのあるキューブになっています。
わたしはmagnet:clear(moderate)、spring:green(light)が一番好みでした。


 
 
大村 周平
総合評価 85.2


コーナー/エッジ根元部分の接地が少ないため相対的に分割平面の摩擦や磁力によるブレーキを強く感じ、90度ごとにガクガクする。
センターキャップを磁力アシストなし(緑色)、バネも同じく緑色の弱いものに替えることでそれなりのバランスには仕上がったが、フラッグシップモデルに期待していたほどの性能には至らなかった。
角を感じる回し心地で、むしろコーナーカットはThunderClap V3よりも狭く感じる。
梱包やプラスチック整形などのクオリティはThunderclap V3よりも明らかに高いが、私が競技用キューブに求めるのはそういった所有欲ではない。
センターキャップごとの磁石交換システムは特に取り上げるほどではない。これに限らずメンテナンスの多くは最初の慣らし運転が終わるまで限定の価値で、好みが見つかってからはほとんど設定を変えないのであまり論点にならない。
近年は総じてキューブ性能が上がってきたことから他メーカーとの差別化が難しく、新製品として目を引くために迷走しているようにも思える。


 
 
端村 航
総合評価 85.0


Valkシリーズらしい、重ためで安定感重視の構造をしている。
それでいて荒い回し方に耐えるだけの柔軟性は確保されており、この方向性ではかなり完成形に近づいたと言えるのではないだろうか。
センター蓋で磁力を変えられるアイデアは素晴らしいが、ステッカーレスでない素体ではシールを自分で貼る必要があり少し面倒。
バネ交換もネジを一旦外す必要があり、調整のしやすさではGANに劣る。


 
 
竹村 篤人
総合評価 83.2


従来のValk3の面影は残しつつセンターへの磁石搭載という新技術が加わり、より正確な回転をするキューブになった印象がある。
まさにエリートと言えるかもしれない。
ただ、少し厳しめのコーナーカットから、窮屈さも感じてしまった。Valk3と同様、使いこなすには多少の技術が必要だ。


 
 
佐島 優
総合評価 82.5


磁力アシスト・バネ・ネジ調整を個別でできるようになったQiYiのフラッグシップ。
磁力アシストについてはセンター蓋を交換することで調整できるのだが、蓋が外しにくいのが難点だった。
無理に回そうとすると引っ掛かりが目立つので、ある程度力を抜いて綺麗に回す技術が必要となる。やや上級者向けのキューブと言えるだろう。
Eliteには個人的に期待しすぎてしまっていた部分もあり思っていたほどの性能ではなかったのだが、回し込んでいくことで角が取れ、より回しやすくなっていくことに期待したい。
私はマグネット(センター蓋)を「緑」、スプリングを「透明」にしたときが一番好みだった。


 
 
高木 佑平
総合評価 (74.0)


Valkシリーズ最新作としては期待外れな第一印象を受けた。パーツの軽量化はどこか安っぽさを感じた。
センターキャップを交換し予め注入された潤滑剤を拭き取ることである程度回転は軽くなり回しやすくなったが、ピボットや安定性の低さが目立つ。
GAN356XSのように良い部分は真似て更なる改良を次回作に期待したい。
 



 
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